2022年12月2日に公開された映画「月の満ち欠け」
Snow Manの目黒蓮さんが出演していることでも話題になりました。
感動ストーリーだと思い期待して鑑賞しましたが、これはホラー…?と感想は思いもよらないものとなりました。
月の満ち欠け あらすじ
ーあなたにも、生まれ変わっても逢いたい人はいますか?ー
キャッチコピーからも愛する人を亡くしてしまう感動ストーリーであることを想像させます。
仕事も家庭も順調だった小山内堅(大泉洋)の日常は、愛する妻・梢(柴咲コウ)と娘・瑠璃のふたりを不慮の事故で同時に失ったことで一変。
深い悲しみに沈む小山内のもとに、三角哲彦と名乗る男(目黒蓮)が訪ねてくる。事故に遭った日、小山内の娘が面識のないはずの自分に会いに来ようとしていたこと、そして彼女は、かつて自分が狂おしいほどに愛した“瑠璃”という女性(有村架純)の生まれ変わりだったのではないか、と告げる。【愛し合っていた一組の夫婦】と、【許されざる恋に落ちた恋人たち】。
全く関係がないように思われたふたつの物語が、数十年の時を経てつながっていくー
映画『月の満ち欠け』公式サイト | 大ヒット上映中 (shochiku.co.jp)
月の満ち欠け ネタバレ感想
あらすじや予告からも感動ものだと予測して鑑賞しました。
しかし、100%感動!と思えない理由がありました。
以下、ネタバレを含みます。
ネタバレその1 純愛じゃなくない?
いきなりネタバレですが、この映画は生まれ変わりの物語です。
正木瑠璃(有村架純)と三角哲彦(目黒蓮)の純愛物語が輪廻転生を生み出しているんだと思っていました。
でもさ、映画を観た方は絶対思ったんじゃないかな?
純愛じゃなくて、不倫じゃん!?
瑠璃は幼い頃に両親を亡くし、祖母に育てられています。
その後も親戚の家を転々としたそうで、自分は不幸な人生を歩んでいると思いながら過ごしています。
そんな瑠璃に思いを寄せていた正木(田中圭)に求婚され、「私も幸せになっていいのかな?」なんて言いながら幸せな結婚生活を送るはずでした。
しかし、事態は一変。
瑠璃は子どもを産めない身体だったのです。
映画では描かれていませんでしたが、きっと新婚の頃は幸せな暮らしをしていたんでしょう。
なかなか子どもを授かれないことに疑問を抱き、瑠璃を受診させたところ不妊が発覚したというところでしょうか。
自分の会社は自分の子どもに継がせると決めていた正木はひどく怒ります。
「とんだハズレクジだったな!!」
なんて暴言まではいてしまいます。
あぁ、なんて脆い愛だったんでしょう…
当然その後の結婚生活はひどく荒んでいきます。
そんな時に哲郎(目黒蓮)に出会ってしまい、お互い恋に落ちてゆくんです…。
瑠璃はもちろん、人妻であることは自分からは言いません。
でも普通の恋人のような関係になれず、哲郎は踏み込んではいけない関係であることに気づきます。
それでも芽生えてしまった恋心はもう消すことはできません。
哲郎にとっては純愛だったかもしれません。
だって哲郎は一途に瑠璃のことを想い続けていたんだから。
でも、瑠璃はどうなの???
人妻でありながら、そして哲郎の気持ちを理解していながら関係を進めて「これ以上はお互い苦しくなるだけだから」なんて、とっても自分勝手な女に感じて仕方ありませんでした。
ネタバレその2 生まれ変わるために死んだわけじゃない
哲郎(目黒蓮)は瑠璃・こづえが亡くなった後、小山内(大泉洋)に会いにいきます。
そして瑠璃は自分の愛した「正木瑠璃」の生まれ変わりだったんじゃないかと説明します。
実際にそう思わざるを得ないような不可思議な現象が起きていましたが、そう易々と受け入れられるわけがない!
それが通常です。
正木瑠璃との思い出を語る中で哲郎は「瑠璃さんはもしかしたら生まれ変わるために死んだんじゃないか」と言います。
今の自分の人生を悔いていた瑠璃だったので、もう1度生まれ変わる覚悟をして死んだのか…。
と思い鑑賞していました。
高田馬場駅で待ち合わせをしたあの日に人身事故で亡くなっていたのも、哲郎に対して相当な覚悟を持っていたんだと。
しかし実際に蓋を開けてみるとなんともガッカリ…。
正木(田中圭)に不倫がバレてしまい、離婚届を残し家を飛び出す。
瑠璃を追いかけてきた正木から逃げるため踏切を渡ったが、運悪くカバンが踏切内に落ちてしまい…。
カバンを拾いに戻ったら人身事故を起こしてしまいこの世から消えてしまうという最期でした。
えーーー!!?
覚悟なんてないじゃん!
事故じゃん…
カバンの中に哲郎がくれた故郷の缶詰が入っていてどうしても必要だった!
なんて描写もなく。
本当にただの事故だったので心底ガッカリしてしまいました。
ネタバレその3 愛する我が子が他人だったなんて
この映画がホラーと言われるのは、小山内(大泉洋)視点で観るとよくわかります。
大切に大切に育てた愛する1人娘。
それがある日突然、前世の記憶を持つ赤の他人と入れ替わっていたなんて言われて受け入れられるでしょうか。
瑠璃は幸せが溢れる小山内夫婦を選んで生まれ変わりをしてきました。
7歳のとき原因不明の高熱が続き、そこから正木瑠璃の記憶が蘇ってしまいます。
母親であるこづえ(柴咲コウ)はその違和感にすぐに気付き、娘の様子がなにかおかしいと考え始めますが、小山内はそんなの考えすぎだと認めませんでした。
「高校卒業するまでは1人で勝手に居なくならないこと」と父親と約束をした瑠璃。
瑠璃もその後は両親に悟られないよう、普通の子を演じてきたのかもしれません。
しかし不慮の事故で亡くなってしまった後、次から次へと「瑠璃は生まれ変わりなんだ」と他人に言われ、挙句の果て目の前の子どもが「私があなたの子どもなの」と訴えてくる…。
そりゃホラーだわ!
ネタバレその4 小山内夫婦は本物の愛だった
正木瑠璃(有村架純)と哲郎(目黒蓮)の不倫愛とは異なり、小山内夫婦(大泉洋・柴咲コウ)の愛は本物だったと感じました。
物語は小山内が一方的に恋心を寄せて、猛アピールのうえ結婚したかのように進みます。
小山内がとても家族思いの父親であることも描かれており、素敵なお父さんであることがわかります。
しかし、不慮の事故でこづえ(柴咲コウ)を失ってしまった後にこづえの本心を知ることになります。
それは、本当はこづえが高校生の頃からずっと小山内に思いを寄せていたということ。
小山内はこづえが死んだあとにその事実を知り、電車の中で号泣してしまいます。
このシーンは私も感動しました。
ラストにはこづえも生まれ変わっていたことを知り、映画は幕を閉じます。
正直、こづえにとって誰よりも愛していた小山内を置いて死んでしまったことは大きな心残りだったでしょう。
なので瑠璃の転生よりもこづえの転生の方が美談な気がしてしまいました。
輪廻転生と言えば「ぼくの地球を守って」
今回の映画を観て感じたのが、マンガ「ぼくの地球を守って」に似てる部分があるということ。
ぼくの地球を守っては1986年から花とゆめに掲載されていた少女マンガです。
『ぼくの地球を守って』(ぼくのちきゅうをまもって)は、日渡早紀作の漫画作品で、1986年末から1994年にかけて「花とゆめ」で連載された。通称は「ぼく地球」
ぼくの地球を守って – Wikipedia
随分と古いマンガになりますが、瑠璃のようにある日突然前世の記憶が蘇ることで物語が大きく動いていくストーリーです。
「ぼくの地球を守って」は宇宙と繋がる壮大なストーリーです。
でも輪廻転生のお話は、このマンガを思い出してしまうんですよね。
わかる人いるかなぁ…
なんとぼくの地球を守っては続編がスタートしています!
あの時読んでいた人は、ぼくタマの続きが読めるなんて感激するんじゃないでしょうか。
まとめ 映画「月の満ち欠け」感想
月の満ち欠けは観る人によって感想が分かれる映画だと思います。
純粋に感動する人ももちろん居るでしょう。
ホラーと言われているのも、生まれ変わり系が苦手な人や小山内視点に立ってストーリーを鑑賞した人に限られるかもしれません。
観る人によってとらえ方が全然ちがうのが映画の面白いところですね。
とりあえず大学生役の目黒蓮くんはめちゃくちゃかっこよかったし、有村架純さんも可愛かったです!
目黒蓮くんを観るために鑑賞するのもオススメです(笑)
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